ロバート・L・フォワードの『SFはどこまで実現するか』講談社(1989)は文字通り、SF的な発想がどこまで実現的かを論じた著作である。基本は現在知られている自然科学、とりわけ物理学に加えて、学会での少数意見もとりあげて論じている。この最後…

井村宏次『スーパーサイエンス』を読む。ウィルヘルム・ライヒについての章もあった。今日は彼について書いてみたい。 ウィルヘルム・ライヒは精神分析学者であった。フロイトの弟子である。フロイトの精神分析は性欲とそれによる精神的な動因を重視していた…

モンローの体験の続きを書く。 ある時、モンローが体外離脱をすると、悪霊に取りつかれて、もがいて助けを求めていた男になっていた。すると従兄弟のような感じの厳かな男が階段を下りてきて、その悪霊を取り去り、腕に抱えて消え去った。その後、別の時に体…

日本では守護霊は、祖先の霊とだいたいは相場が決まっている。むろん、例外もあるが、その個人にゆかりのある過去の人間の霊である。欧米では守護霊は余り一般的ではなかったのだが、最近はガイドとか称する存在に触れるオカルティストが増えてきた。ところ…

穴埋め的に紹介する。 以下の著者たちは、奇才の数学者ペンローズが好きであり、日本の学会では相手にもされていない、彼の説を積極的に日本に紹介している。だがペンローズは、あくまで今のところジョセフソンとは違っていてオカルティストとは言えない。重…

前に紹介した、ジョセフソン他『意識が開く時空の科学』には、早坂先生の論文も乗っている。右回りのコマが軽くなると言う有名な実験を行った研究者である。論文自体は手短にまとまっていて、好印象ではある。しかしコホモロジーの適用する部分が分からなか…

ブライアン・ジョセフソンは超伝導でのジョセフソン効果を発見し、33歳でノーベル賞をとった。江崎玲於奈と同時受賞である。彼は教授から演習問題を与えられて、それを解く過程でジョセフソン効果を発見したのである。むろん、ずば抜けた才能があったのだ…

霊と体の二元論の立場で、かつ動物にも霊がいるとすれば、一時的に大増殖するトノサマバッタなどでは、霊界からの魂の調達が間に合わなくなりそうだ。バッタは人間に離れすぎていて気に入らないのなら、レミングでも良い。レミングはネズミの仲間で大増殖を…

歴史を見れば、オカルティストで成功するのは、宗教家、物書き、見せ物、人生相談などの、騙されやすい人々を相手にする場合のみである。全く信じない人々もいる社会で魔力や超能力などの特異能力のみを使って成功することは歴史上なかったといえる。もちろ…

歴史を見れば、オカルティストで成功するのは、宗教家、物書き、見せ物、人生相談などの、騙されやすい人々を相手にする場合のみである。全く信じない人々もいる社会で魔力や超能力などの特異能力のみを使って成功することは歴史上なかったといえる。もちろ…

純然たるオカルトとは異なるが、歴史上の陰謀説なり、誰々は生き残っていたなどの少数説は、よく検討すると外れであることが多い。たとえばナポレオンは毒殺された、スターリンはベリア(KGB長官)に暗殺されたとか、義経はジンギスカンになった、明智光…

1970年代に世界中で超能力ブームを巻き起こした能力者は、イスラエル人のユリ・ゲラーである。彼はスプーン曲げを得意として、これを世界に広めた人間である。今回は彼について書きたい。 ゲラーは5歳頃、母親のミシンになぜか放電を見て、それに触れよ…

今回は、オカルトとは言えないが、雷と電気について書く。 よく落雷や球電が落ちたために、人がはね飛ばされると言うことを聞く。それも大の大人がかなり遠くまで、例えば5メートル以上も飛ばされるのだ。実際、このような話はハンガリーの研究者エゲリが書…

ジョン・キールはUFOについて1970年という早い段階から重要な指摘をした。まず、UFO現象は他の超常現象を伴っている例が多いこと、UFOと宇宙人は昔の妖精や天使、悪魔の遭遇伝説と極めて似ていること、UFOと宇宙人が固体の物質として実在す…

人間の大脳は左右に分かれている。そして、完全ではないにしろ、機能の分化が見られる。その間を左右の脳梁がつないでいるのだ。大きさはほぼ等しい。 そして左脳に言語にかかわる部分が局在していることは、19世紀の末から知られていた。その部分に脳障害…

右脳

右脳

ジョン・リリーという科学者がいた。リリーは精神の秘密を解き明かそうとして、科学的だが変わった研究を繰り返し、マッドサイエンティストとも呼ばれた人間である。まず、動物の脳に電極をさして脳機能を明らかにする研究の先駆け的な研究をした。リリーは…

多くのオカルトの支持者は霊能力や超能力に無制限の力を仮定しがちである。しかし、これは単なる想像や願望に近い。現実の記録を見ると、どうも絶対的とは言えないが、ある程度の傾向があるようなのである。 今までも紹介してきたが、日本において20世紀最…

霊媒は霊と交信する。しかし、実際に人間の精神は何とでも交信できるのだ。 ○2002年4月30日 4月28日午後9時のNHK特集『奇跡の詩人』の話題が、2チャンネルをにぎわせている。重度心身障害児の息子ルナ11才と、文字盤を使う方法で母親が会話…

知識のあるオカルティストや超心理学者等は、隕石について科学界が強く否定した歴史をしばしば持ち出す。たとえば『アーサー・C・クラーク超常現象の謎を解く』の前書きがそうである。現在、科学界に認められていない超常現象は、隕石の歴史と同様、将来、認…

☆歴史的な傾向 オカルトが一部の研究者の多少なりとも科学的な研究の題材に登ったのは、19世紀中葉から後半にヨーロッパやアメリカで多くの霊媒が排出し、世間を驚かせてからである。それらの研究団体として有名なものに英国心霊協会がある。これらには科学…

UFOとは未確認飛行物体である。多くのオカルティストは宇宙人の乗り物であると考えている。しかし、確証されたことは一つもない。UFOの墜落した残骸話も、やはりでっち上げや誤認くさい。それだけでなく、宇宙人の行動も余り合理的とは言えないのであ…

オカルトには超能力以外の話題もある。たとえばネッシー、ビックフットなおどの未確認生物、UFOや宇宙人、ムーやアトランチィスである。私はこれらの話題に余り興味がない。なぜなら、何の信用もしていないからだ。よって今回は内容が薄くなるが仕方がな…

今日は批判派、懐疑派と言われる人の著作や意見を一部紹介する。オカルトの支持者は科学で説明しがたい奇妙な現象があることに重点を置き、その説明自体は、矛盾だらけで、広い支持も得ていないものである。 それに対して、批判派、懐疑派は、概して現在の科…

オカルトや超心理学関係の文献を読めば、予知は必ずでてくると言っていい現象である。心霊、透視、臨死体験、宇宙人との遭遇など、ほぼすべての現象に付随して、予知の事例が出てくる。仮に予知があったとしよう(予知が存在することによって起こる論理矛盾…

小泉総理は晴れ男だと聞く。晴れ男、雨男という、このような話はよく聞く。実際に、少しネットの上で探すと、多くの話が出てくる。単なる運の良さの話から、超能力や霊能力に絡めての話などいろいろある。 天候を変える。超能力を、これまでに知られてきた物…

超常現象にかんして、どのような態度をとるかは、いろいろな要因に左右される。現在の科学に対する知識と信頼、猜疑心と信じやすさ、知能などである。しかし、それ以外に、霊現象だけでなく超能力も含む意味での霊媒体質のあるなしが、大きな要因になるだろ…

私はオカルティストの書いたものを相当読んでいるが、特によく感じることは、彼らが総じて、余り考えない人たちだと言うことだ。彼らは科学技術の成果を表面的には分っているが、それをもたらした考え方はさっぱり分ってない。だから現在わかっている科学を…

「人間の心や意識を作り出す最大の臓器は脳である。そして神経細胞の固まりである脳の機能の分子レベル、生理レベルと、計算機科学的な解明こそ、人間精神の解明になる」 これが、現在の脳科学のテーマである。ここには霊などはいる余地がないように見える。…

超心理学はここ100年間、ほとんど進歩しなかった。少しばかりの報告例を増やしたのみである。これはオカルト作家のコリン・ウィルソンが何度も嘆いていることだ。超心理学や魔術、オカルトのたぐいは、現代社会にほとんど実質的な成果を上げていない。 そ…