モンローの体験の続きを書く。
 ある時、モンローが体外離脱をすると、悪霊に取りつかれて、もがいて助けを求めていた男になっていた。すると従兄弟のような感じの厳かな男が階段を下りてきて、その悪霊を取り去り、腕に抱えて消え去った。その後、別の時に体外離脱をすると、助けを求める信号を感じた。それをたどって行くと、ある建物に行き着き、その下の階から簡易ベッドで助けを求めている男がいた。男の後ろには子供が二人しがみついていた。モンローが、その子供を引き離してやると、それは実はよく知っている二匹のペットの猫だった。ペットの猫が体外離脱をしてモンローにじゃれついていたのだ! モンローはその猫を腕に抱えて戻ったのである。むろん、モンローは時間を超えて自分自身を助けたと考えている。
 それにしても猫も体外離脱できるらしい。人間が出来るのなら動物もできても不思議はないのだが、それを示す例が書いてあるのは珍しい。
 モンローは人生の後半を費やし、体外離脱で「あの世」を探査し、マップづくりに励んでいた。その内容が書いてある『究極の旅』で、「宇宙に知的生命がいるとしても、全く出会えなかった」と明確に書いている。アメリカでは非常に多くの人間が宇宙人に誘拐されている。その数は数百万人に達するという主張があるほどだ。人間を誘拐する代表的な宇宙人はグレイ型である。だが、なぜかそのグレイの霊などには出会えなかったのだ。
 臨死体験の研究から霊界の伝道師とかしたキューブラー・ロス博士は、前世を思い出す催眠の最中にグレイに誘拐されたことを思い出したということを考えれば、モンローもグレイに会ってよさそうだが、なぜか会えなかった。
 このようにオカルトの特徴の一つは、細部の一貫性のなさなのだ。